「-HOUND DOG- #echoes.」

第二話 アンチアンドロイドは羊を数えて眠る

「ほう」
 案外タフな奴だな、と感心する。
「オラ、行くぞ」
 引きずられるように警察署の奥へと引っ込む男。
 前園警部はナムが刑事職についた際、一ヶ月ほど現場の心意気について叩き込んでくれた人だった。背丈から想像できないくらい犯罪者に対して容赦がなく、新人に対してもひとかけらも容赦がない。
 尋問されるあの男にいくばくか同情する。
 ナムは腕時計で時間を見た。20:00前。
「帰るか」
 何か忘れ物があったような気がしたが、思い出せないなら大したことでも無いはずだ。
 穂ノ原とみゅみゅとガリを連れ、オフィスに戻ることにした。

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