「-HOUND DOG- #echoes.」

第一話 怪盗淑女

 奇しくもその実験場となった国では、大量の国民を死に追いやった技術を憎悪し、Dzoidの持ち込みを規制したのはやむを得ないことだろう。
 日本政府も観光ルートはすべて航空会社に取り扱いを中止させた。
 万に一つも返ってくる可能性のない国に、平和ボケした犠牲者をこれ以上増やさないための処置である。
 
 日本。
 世界一安全な国を自称するこの場所でも、Dzoidが家庭の足として普及していくに連れ、それを元にした犯罪が多発するようになる。警察庁は日々対応に追われるも、要請した対Dzoid用兵器はお役所仕事でいつまで経っても届かず、きてもすぐに現場で半壊して修理搬入となる。
 堪忍袋の緒が切れた管轄長官は民間の会社に対して対Dzoid対策課を募ることを企画。幾つもの選考の中から、株式会社サプライズが選ばれ、新たに増設された7課に人員が配置され、実験的に首都での運営を図ることとなった。
 六道南無を課長とした不良素行・成績に難あり・性格にイチモツありの人身御供の面々を用意。
 警察庁より正式に辞令がおり、それは免許という形で、”刑事”というた肩書きを与えた。
 そして一年。
 幾多もの死線をくぐり抜けた六道南無率いる特務7課――特殊付属警察甲種特務課は、課長と呼ばれる人材を”警部”にまで昇進させていた。
 かといって実務が変わるわけではない。
 今年の新入社員はたったの一名。穂ノ原ほのか。
 まー、そんなモノだろうな、とみんなが妙に納得した4月のことだった。

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