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ここはぬばたま。

駄文の部屋。

お題:特別企画! お気に入りの秘蔵書物紹介の巻
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▼蔵書No.2▼

タイトル : 生物と無生物のあいだ(講談社現代新書)
著 : 福岡 伸一
種類 : 新書

<独評>
 最初、これを手に取った目的は、人(=意識あるもの)と物(=意識のないもの)の区分けの判断材料があるかと思って購入しました。昔からの疑問である「生物とは何か」という命題。人は生物である。動物も生物である。では植物はどうなのか。無機物はどうなのか。微生物は。人が意思疎通可能なものだけにかぎり、生物と呼んでいる常識的な判断はどこか結論として欠けており、その明確な判断がほしかったのです。

 著者はロックフェラー大学の分子生物学者として勤務します。研究の過程で生まれてくる疑問や心境を、抒情的な文章ととともにわかりやすく読者へ伝えます。分子生物学の内部的な歴史や、研究員同士の足の引っ張り合いなど、著者の冷静な独白と主観的な文体より、次第に引き込まれていき、結果的に作者の提唱したいある理論へと結びつきます。

 結果として先の答えは分からずじまいでしたが、読み物としては良書でした。理系よりも文系にお勧めです。
 同社より、最近続きも出ました(2009年)。書店のお勧めコーナーにもよく置いてあるので、見つけるのは容易。



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