「二二拍手

第五話 ヤミヨミの神父

「寂しさの代用品」
 エゲツねえ。
「付き合った女は200を越えたのう。若さとは無茶と同義語じゃった」
 ほ、ほんとなのか……?
「ほれ、次はオヌシの番じゃ」
 勝負って女性遍歴かよ!!
「ワシの唯一の自慢じゃ」
 死ねよ! つーか、完全なジゴロじゃねーか!
「ワシャもう死んどる」
 もう一度死ねよ!!
「ホレ、オヌシの番」
 く…………
「ワシの孫だけ会って、それはもう盛りのついた馬のごとく手当たり次第なんじゃろ」
 へっ……
「まさか高望みして一生一人の女に付いてまわるとかいいはしまいな」
 くっ……!!
「やめておけ。女ならいくらでもおる」
 オレは……
「高嶺の花には縁がない顔じゃ」
 こ、このジジイ。てめぇの孫だろうが。
「血の繋がった爺ちゃんゆえ、ワシには分かるのじゃ」
 ばっかやろー!! 人生いつ逆転チャンスが起きるかかんねーんだよこのハゲ!!
「寂しいオヌシの老後が見える」
 若干生々しいこというなよ!!
「日和、これだけはいっておくぞ」
 ちくしょーーー!! 絶対幸福になってやるーー!!
「オヌシには女難の相が出ておる」
 あえか様をいつかあえかと呼んでやるぅ!!
「無理じゃな」
 真顔で答えるんじゃねえクソジジイ!!

 頑張れ日和。負けるな日和。
 いつか師匠を『あえか』と呼び捨てできるまで。




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