「二霊二拍手!」
第五話 ヤミヨミの神父
日和と大沢木が同時に走り出した。
溝口が白衣の袖を振り、黒い表紙の本を取り出した。
パラリと開き、御言葉を唱える。
「神は云われた。第三日、と」
雑草だらけの地面がわきたち、急激な背丈へと成長すると、生き物のように彼らの進路を妨害した。
白衣のポケットから黒い帽子を取り出すと頭にかぶる。
ついで白衣をはぎ取り、裏返しにして黒い神父服を纏う。
パチ、パチと手際よくホックを留める。
眼鏡を外した彼は、人を安心させる眼差しを”組織”の敵たちへと向けた。
「ようこそ。皆さん。わたしが闇黄泉の神父です」
大麻を咥えた神父が言った。
|
Copyright (C) 2009 Sesyuu Fujta All rights reserved.