「二霊二拍手!」
一話 少女霊椅譚
もっとも、このような確認方法をとらざるを得ないのは、春日の霊感体質ゆえだが。
「昨日からかけずりっぱなしで、いい加減俺もキレかけてるんだ。ちょっと来い」
ちからいっぱい服をつかまれた日和は、あわてて弁解する。
「い、いや違うんす! あのお嬢さんの居場所なら知ってるっすよ!」
「本当かい!?」
ぱっ、と手を放し、
「ウソはついていないだろうね?」
「当然っすこの春日日和生まれてこのかた一度もウソなぞついたことないっす」
あきらかなウソを弁明の言い訳に使いながら、日和は青年の機嫌を良くすることにつとめる。
「案内するんでついてきてください」
へこへこと平身低頭しつつ、日和はたぶん大丈夫だろうとタカをくくって歩きだした。
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