「二二拍手

一話 少女霊椅譚


 生身の人間なら110番で警察がとんできて牢屋にぶち込まれる。
 生身じゃなけりゃ、110番の代わりにその筋の専門家に頼む。

 霊能者(れいのうしゃ)霊視家(れいしか)、お(はら)い師などがそうだ。
 オレの師匠はそっち方面でそれなりに名の知られたお祓い師だ。それにあの美貌(びぼう)の上、スタイル抜群(ばつぐん)、その上仕事着は巫女衣装(みこいしょう)ときている。
 これで()えない野郎は男じゃない。
 オレは彼女の一番弟子にして最高の相棒。いつも荷物持ちばかりしているが、いつか真心錬気道を次ぐ男。そうなる日はもはや秒読みであると確信している。
 今日だってもう少しで師匠のチチに触れそうだったのだ。だが後一歩のところで諸手(もろて)の反撃を浴びた。
 オレはいつかあの胸に顔をうずめてみせる! そう、それがオレ、春日日和(かすがひより)の目標だ!!




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