「二霊二拍手!」
序 それは天上の花のような――
年齢は22歳。高1のオレとは7歳も差がある大人の女性だ。ただし、オレにとってはのり越えられる壁だとおもっている。年の差なんてモノは恋する男にとっていったい何の価値があろう! 現代は死にぎわ近いジジイが二十歳をすぎたばかりの女と結婚するご時世。そんな障害などぬるい! ぬるすぎる!
「話を聞いていますか?」
「あ、はい」
オレとしたことが。
轟あえか様。
美人。
推定バストサイズ83のC。
安産型。
正座した姿は凛として咲くリンドウの花よう。
ほそおもての顔に愁いを帯びたまなざし。
正常な男子ならその姿を見ただけでそれまでの一生を懺悔してしまうような魔性の魅力をそなえた女性。
それがオレの師匠、そして俺の恋する女性だ。
師匠のためならオレは死ねる。
「よろしいでしょう。黙練はこれまでにして、組み手とまいりましょう」
「待ってました!」
オレはしゅたっ、と立ち上がり、構えをとる。
「やはり男の子ですね。黙して座っているよりも、体を動かすほうがほうがよいでしょう」
ほほえんで静かに立ち上がる師匠。
その胸元に、俺の目は集中する。
(今日こそはっ!)
「まず構えから」
「うおおおおッ!!」
一匹のケモノのごとく襲いかかる。
ふわりと髪の毛数本を残してその姿がかき消える。
「構えて」
「うおおおおッ!!」
腹の底から雄叫びをあげて襲いかかる。
かすりもせずにオレの腕は空をつかむ。
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