「二霊二拍手!」
序 それは天上の花のような――
あれだろ、やる前に学べ、というやつだ。
知識がないのに本能だけで事を起こすから取りかえしのつかない羽目に陥る。
学生のうちからすでに人生棒にふってるようなもんだよな。
80年も生きる人生、後先かんがえず行動起こすと残り60年以上後悔しつづける日々だ。
それであれだ。
親父みたいにおふくろに四六時中尻にしかれて見ているこっちが情けなくなる。
あれって完全に反面教師だよな。
オレは親父みたいな失敗はしない。
そしてその目論見はすでになかば完成していると言っていい。
なぜなら、
「…………(チラッ)」
ばれませんよーに。
正面に女性が正座している。
ながい御髪を邪魔にならないようにまとめ、きれいなまつげは精神統一のためにぴたりとふさがっている。
ちまたにあふれるメイクだらけのフェイク美人とはちがう、化粧けひとつない肌は健康的な張りがあり、すらりととおる鼻梁の先に、桜色のくちびるがやわららかな吐息をはきだしている。
ゆったりとした呼吸にあわせて上下する胸元。
動きやすいように大きめなサイズの衣装はゆたかな胸のふくらみを隠しきれず、トクントクンと脈打つ鼓動にあわせてゆれている。
世にいう巨乳の範囲ではないが、女性のバストというものはでかけりゃいいってものじゃない。
形とやわらかさ、そしてさわり心地。そう、さわり心地こそがこの世に生きる男性のもとめるモノではないだろうか。そうにちがいない! EだとかFだとかGだとかすでに人間ではないそれは牛だ! 巨乳にむらがる男どもは牛に発情しているのだ! オレは人間だからな。人間らしいチチをもとめてここにいるのだ!
はっ! いかん!
「…………ッ」
精神集中!
あやうく鼻息でバレるところだった。
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