ここはぬばたま。

駄文の部屋。

お題:ワーキング・プア〜日本もアルゼンチン化?〜
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さて。

皆さんはこの国が、すでにどん底にあることに気づいているだろうか。
年金問題、老人の飽和化、景気の不透明さ、汚職に学級崩壊……
すでニュースはニュースでなくなり、山積みされた問題は左から右へ流れてゆく。
政府は機能として価値がなくなり、形骸化した政策に国民は呆れることすら疲れている。
今回取り上げるのは、「ワーキング・プア」と呼ばれる「労働格差問題」である。

「ワーキング・プア」という言葉は最近使われだした。
「働けど働けど猶わが生活楽にならざりぢっと手をみる」石川啄木の川柳そのままに、
どれだけ必死に働いても、今日を生きるだけの金額しかもらえない労働者層があるという真実で ある。

マンガ喫茶に寝泊りする20〜30代の「ワンコールワーカー」日雇いの若年労働者。
定年しても年金普及がされず、福祉会社より仕事をもらう老人労働者。
正社員の働き口がなく、2件も3件もバイトをかけもちしても10万に足りない地方労働者。
今の日本で、月に20万もらっている人間は幸せだと思うといい。

このような社会で、若者は明日に希望をもてるだろうか。
ニートやフリーターの増加、それを甘えだけの問題だと決め付け、問題を根本すら見ようともせず 税金ばかりを食いつぶす阿呆共が、社会の頂点に巣食っている。
彼らはまさに害虫である。

参考書の中身だけで優劣を決め、学歴ばかりを重視した国の結末がこれである。
陳腐な言い草だが、現実の答えは一つではない。
人と人との駆け引き、様々な角度からの問題論点の推理、知識は応用してこそ価値がある。
相手の立場と自分の立場、状況の有利と不利、結論として導き出す答えは折衝した結果の折喪案で ある。
繰り返すが、そこに画一的な答えなどない。

そういえば、ある高級官僚の元締めはこんなことを言っていた。
「もっと挑戦を! 再チャレンジを!」
彼らは生きていくだけで精一杯である。再チャレンジしようにも、先立つものがない。
「痛みを伴う改革を!」
医療保険割り増し、「障害者自立支援」言葉だけの絵空事、しわ寄せされるのは常に弱者である。

無能な政府にこれ以上の存在を許していていいのだろうか。
無駄な討論ばかりに白熱し、本当に必要な議論を先延ばし、スルーする政治家連中を野放しにして いていいのだろうか?
日本銀行で生まれた金は、どこで滞留しているのだろうか?
政治家の懐ではないのか?
革命でも起こらない限り、この国の悪意はなくならないのだろうか?

ちょっと前に、「一億総中流社会(だったかな?)」という書籍が流行った。
日本人はみな中流生活を営んでいるという妄想だ。
如何せんブームの反逆者である私は読むことすらしなったが(2007/8/19現在まで)、今となれば
その言葉もむなしく響く。
人口の約10%が、すでにワーキング・プアとして形容される人口に存在しているのだ!

気になる人は、書店で下記の本を見かけたら買ってみることをオススメする。

link:ワーキング・プア 日本を蝕む病  NHKスペシャル【ワーキング・プア】取材班

日本の現実が見えてくる。 それは明日の君かもしれない。

おわり。

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