ここはぬばたま。

駄文の部屋。

お題:死について
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なぜ人は死ぬのだろうか。

学校で教えられる命の大切さ。
「人種や地域や性別などで、命の重さは変わらない」

しかし子供の頃からそれはうそだと理解している。
だからこそ子供は大人をうそつきだと呼ぶのかもしれない。

身近な人間が死ぬことと、はるか遠くの別の国で人が死ぬこと。
そこには大きな隔たりがある。

自分の人生に大きく寄与してくれた人。
自分とかすりもしないまったく赤の他人。

もし悲しみにくれるのならどちらかといえば、もちろん誰もが前者を選ぶだろう。
博愛主義は幻想だ。
それは自己満足の世界である。
中世期のキリスト教。
彼らは自らの博愛主義のために、異民族を虐殺した。

自分が死に対して強い人間だと考えていたのも、やはり幻想だった。
涙が出ることはなかったけれど、心にずしりと重い感覚。
確実に何かを亡くしてしまったという自覚。

昔の人間は、自分に比べてどれほど強かったのだろうか。彼らはもっと 多くの死を、その人生のうちに何度も見ていたに違いない。 だからこそ死を、恐れるとともに、敬めにしたのだろう。

現代の死は、病院という狭い個室の中で訪れる。
それはとても静かな死だ。
たまに、看取られることもなく、その生涯を終える人もいる。

燃やされて灰となるまでに、ろうそくの明かりがゆらゆらと揺れていた。
その向こう側で、まるで眠るようにひっそり横たわっている。
思い出の中にあるのは、元気な姿で笑いかけてくれた遠い昔の記憶。

日常の忙しさに追われ、いつの間にか亡くしていたその思い出を、ろうそくの明かりの小さな瞬きの中で、確かに見た気がした。

おわり。

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